Mixed Roots Japan ミックスルーツ・ジャパン
多文化市民と歩む:「共生文化」の日本モデル構築に向けて
10月27・28日 大阪大学GLOCOL「足もとの国際化連続セミナー」:ミックスルーツ・アカデミックフォーラム2012

 

発表概要・アブストラクト

3)「多人種・多文化的ルーツをもつ人々の言語習得における内的・外的要因」
  アラル・ケンザ宝、大手前大学、甲南女子大講師 


近年、多人種・多文化的ルーツを背景に持つ人々の人口が増えているにも関わらず、日本社会が彼らに対して持つイメージと当事者との間に今もなお大きな隔たりがあるようである。その一つとして言語習得が挙げられる。国際結婚の家庭に生まれた子ども達は容易にニ言語以上を習得するといったステレオタイプなどである。言語を習得する過程において、様々な内的・外的要因が影響するが、当事者がおかれる社会環境は外的要因の一部として大いに彼らの心理に作用する。

本研究では15名のミックスルーツ当事者に、内的・外的要因が彼らのルーツに関わる言語、文化、アイデンティティにいかに影響を与えるかについてインタビューを実施し、質的分析を行った。その結果、特に言語習得において、当事者の言語習得到達度の高さに関わらず、当事者のおかれる環境が彼ら自身の言語能力や言語に対する意識に影響する事が分かった。更に、彼らが社会から受ける言語能力に対する評価は、当事者にとっては言語だけに止まらず、自身の評価につながり、特に幼少期から青年期にかけては多少なりともアイデンティティの形成に影響を与える事が分かった。